Mon, Aug 17

  • 01:59 NHKの100年前のカラーの日本の写真特集は凄かったな。戦前建築好きの間では、震災復興成った20年代の東京が一番美しかったという話になるのだけど、成るほど頷ける。
  • 02:14 その前には、カラー化された第二次大戦の映像を見ていた。アルベール・カーンが記録させた20年代の日本の子供達は、色鮮やかな衣服に身を包み、無心に微笑んでいる。その後20年の内に、彼らの世代の少なからぬ人々が、兵士として戦いの場に身を置くことになったはずだ。
  • 02:20 大正から昭和初期にかけての、日本の束の間の豊かさが「色」からも伝わってくる。公園の遊具で休日を楽しむ親子連れ、沢山の幟はためく芝居小屋、繁華街の大衆食堂の看板。「コドモノクニ」や、幼い頃の堀内誠一の原点になったモダンなポスターデザインもこのころ。
  • 02:23 カーンの派遣したカメラマンは、オリエンタリズムにそれほど毒されていないような気がする。その淡々とした視線は、むしろアッジェや桑原甲子雄をの写真を想起させる。
  • 02:31 戦前の農村。人々の野良着も帯飾りなんかが色鮮やかで、風景もトスカーナ地方のように美しい。貧乏で前近代的というイメージだけじゃない豊かさがあったのだろう。詮無いことだけど、このままの道を行くことは出来なかったのかと思う。同じ敗戦国のイタリアには出来たのになあ。
  • 02:38 日本人は本当に敗戦で気が狂ってしまったんだな。この「魂」の消尽っぷりは改めて異常だと思う。明治まで世界を相手に打って出たことがなかったから、鼻っ柱折られたショックもでかかったんだろう。2000年間世界帝国の廃墟と暮らしてきた連中の、諦観からくる余裕が羨ましい。
  • 02:53 週末に横浜の三渓園に行った。海沿いの山を丸々買って、三重塔やら徳川の別荘やらを建物ごと配置してしまうスケールのでかさと美意識の確かさ。明治の金持ちは、すぐに廃墟になるようなコンクリの大仏立てて地元に迷惑掛けるような馬鹿じゃなかった。どこかで何かがおかしくなってしまったらしい。