2008-10-01から1ヶ月間の記事一覧
ミレイは写実を極めた者として、晩年に何を見ていたのか。独特の、仙境に入るにも似た風景画の世界がある。 メディアとしての繪畫。『オフィーリア』の前で2時間も佇み、感極まって涙するものも居たということ。当時絵画は「映画」だった。 ファンシーピク…
揺らぐリアリティ。 次々に開かれるリアリズムの画家たちの展覧会。「向こう側」に分け入る手段としての写実。 魔術的リアリズム。 宮崎駿。ファンタジーが飛翔する瞬間。(なかなか向こう側には行かない) ・藤幡講演の感想 真の近代を経ていない日本の大衆…
ゴチックの大聖堂(ランス大聖堂)の柱に設置された彫刻。今回の最大の収穫は、いつも描いている距離から少し離れたところに、モチーフの構造がきちんと把握できる位置を発見したことだ。高々十数センチほど遠ざかっただけだが、そこからは驚くほどスムース…
思っていたよりも落ち着いた、しっかりとものを考えながら表現をしている人、という感じだった。制作途中の様々な工夫(頭部の位置を決めるための合わせ鏡とか、ゴムバンドの伸びを表す区切り線とか、彫刻を浮かす曲げ木の技術とか)に、生まれ持った工学的…
笹塚から裏道を通って明治神宮の参宮橋門に向かう途中、偶然岸田劉生の「切通之写生」に描かれた坂を通りがかった。確かに言われてみれば、あの急勾配の印象がうっすらと残っている気がする。このあたりに住んでいたと聞いて、突然身近な感じがしてきた。だ…